2020年7月に日産キックスの購入を契約しました。
なぜ、日産キックスを選んだのかというと、今、日産ノートe-POWERに乗っていることが大きく影響しています。
まずは大前提としてe-POWERを選択した理由と日産キックスに乗り換えるキッカケの2つに分けて書いてみます。
e-POWERの満足な点と不満な点
まず、e-POWERについて、個人的に感じた満足点と不満点を書いてみます。上にあるほど思いが強いです。
ノートe-POWERの前は、家族と共有で使用していたガソリンエンジン車のホンダフィット(DBA-GD1)に乗っていましたが、フィットは特に荷室のレイアウトがフラットになるなど、柔軟でとても扱いやすく良い車でした。
このフィットのガソリンエンジン車からハイブリッド車のe-POWERですから、走行面でかなりの進化を感じました。
e-POWERの満足な点
大量の駆動用バッテリーを搭載していない(純電気自動車ではない)
e-POWERを選んだ最大の理由かもしれません。
市場にある電気自動車の駆動用バッテリーは、ニッケル水素電池かリチウムイオン電池が多いと思います。
この二つの電池は、車両価格に影響する製造コストや重量、繰り返し行われる充放電の耐性を考えると、まだ手を出すことができません。(BEVである現行の日産リーフが安くなっても、たぶん買うことは無いでしょう…)
それに加えて、航続距離は同じ車格のハイブリッド車やガソリン車の半分以下です。
e-POWERは、エネルギー密度の高いガソリンを燃料にしているため、航続距離を伸ばしながら、電気自動車のフィーリングを得られます。
交流同期電動機による加速力
これは、ハイブリッド車全般に言えることかもしれません。
ハイブリッド車なんて車両重量が増すのだから、効率が悪いだろうと思っていました。
しかし、電動機の力強さを体験したら、燃費とかECO MODEなんてものは関係無く、走行フィーリングが記憶に残ってしまったのです。
e-POWERの場合、電動機からエンジンに動力伝達の切り替わりを感じることはありません。
まるで、飛行機に乗った時のような変速ショックの無いの加速感が得られます。
電気信号の瞬発力と繊細さ
今の自動車は、高度なコンピュータ制御により、機械部品の末端まで電気信号になっています。
アクセルに対するレスポンスは良くなっているでしょうが、燃焼という工程で駆動しているエンジンと比較して、電磁気力で軸を回転させる電動機は、反応速度が良く、より緻密に回転数を制御できます。
微妙な速度の調整がしやすく、具体的には狭路ですれ違うときや、オートクルーズコントロール使用時に実感できます。
ワンペダルによる加減速操作
ノートe-POWER購入直後は、そこまでワンペダル操作に魅力を感じませんでしたが、しばらく使っているとジワジワと来ました。
街乗りでは頻繁に加減速を繰り返しますが、ワンペダルはアクセルとブレーキの踏み変えが少なくなり、疲労感が変わってきます。
最初、不慣れな人がワンペダルで運転するとブレーキランプの付き方が不安定になります。
しかし、運転に慣れてくるとブレーキランプが点灯する感覚が分かるようになり、減速から停止まで点灯したままでうまくコントロールできるようになります。(ショックの無い停止までの回生ブレーキは拘りかもしれない)
e-POWERの不満な点
エンジンが不意に掛かる
とにかく煩い。止まっていようが低速であろうが、HR12DEエンジンが2,400回転毎分近くで掛かるので騒々しいです。
地下駐車場を走るときは強制的に止めたいくらいです。(妻は気にならないそうです…個人差がありますね。)
高速燃費が少し悪い
高速道路を走ると少し燃費が悪くなります。
速度が上がるほど、車体に受ける空気抵抗、インバータの容量制限や高調波の損失が多くなり、不利になります。
とはいえ、帰省で東北自動車道を毎回往復で800km走行しますが、そのときの満タン法で大体21km//L~22km/Lくらいです。
言うほど燃費は悪くなりません。
最後に
このようにe-POWERの不満な点よりも満足な点が勝っていたので選択肢に入ったわけです。
次回は、日産キックスを選んだワケを書いていきます。
e-POWERって電気自動車?
ところで、日産はe-POWERを電気自動車(方式自体は昔からあるけど、新しいカタチとしている…)と宣伝していますが、当然、e-POWERはハイブリッドであって、電気自動車ではないという意見も良く見られます。
どうなんでしょうか。
一応、広義では「搭載したバッテリーのみで駆動する自動車」のことを電気自動車としています。
よって、e-POWERを電気自動車と謳うのは間違っています。
正確な名称の使い分けは大切です。
しかし、世の中の多くの人は、電気自動車と電動駆動車、燃料電池車の違いを知っているでしょうか。
一般的な電気自動車の認識を「家で充電できる」「排気ガスを出さない」「バッテリーだけで動く」「モーターで駆動する」など一人一人が曖昧で定まっていないのではないでしょうか。
このように車に詳しくなくても、エンジンが主としてタイヤを駆動させる一般的なパラレルハイブリッドとe-POWERのような完全な電動駆動の違いを伝えるために、日産は電気自動車としているのではないかと推測します。
(ちゃんとした説明が不足していれば、消費者に誤解を与える広報なので、e-POWERを電気自動車というのは、私自身イマイチだと思ってます…)
電気自動車の定義が分かりにくい
一方で燃料電池車であるトヨタのミライはどうでしょうか。
水素と空気中の酸素から発電し、バッテリーに蓄電します。その電力で電動機を駆動しますが、バッテリーのみで駆動するわけでは無いため、電気自動車ではなく、燃料電池自動車と呼ばれています。
これって、e-POWERと同様のシステムでガソリンエンジンが燃料電池に置き換わっただけですよね。
しかし、トヨタのミライを広い意味で電気自動車に分類されたとしても私は不自然とは思いません。(異論はあると思います。)
こんな感じで電気自動車って定義が分かりにくい。この際、リーフのような電気自動車は二次電池自動車と呼べばいいのかなぁ。