キックスの納車日は11月中旬から11月下旬になるということで、納車後すぐに冬の支度をしなくてはなりません。
今年(2020年)の冬は寒くなるそうです。
突然の降雪に備えて、スタッドレスタイヤを用意しなくてはならないところですが、私の住んでいる地域は南関東であり、雪が降っても数日程度です。
スタッドレスタイヤは保管するのに場所を取るし、ホイールと合わせて購入すると高価になるのが困りますよね。
特にキックスのタイヤサイズである205/55R17に合うスタッドレスタイヤは流通が少ないのかインチダウンしても割と高い…
このことから、タイヤの購入をどうするのか作戦を練ってみました。
ノーマルタイヤをオールシーズンタイヤに交換する
スタッドレスタイヤに捕らわれず、いろいろ調べてみた結果、オールシーズンタイヤというカテゴリがありました。
オールシーズンタイヤは、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤの中間のような存在です。
結論から言うと、キックスの納車後は純正のノーマルタイヤを外し、オールシーズンタイヤに組み換えることにしました。なお、純正のホイールは節約のために再利用します。
では、なぜ、スタッドレスタイヤではなく、オールシーズンタイヤに変えることにしたのかというと、次のメリットとデメリットを比較した時に、私個人の場合はメリットが大きいと考えたからです。
納車したキックスにCrossClimate+を組み替えると下のような感じになりました。タイヤのパターンで雰囲気まで変わりますね。
オールシーズンタイヤのメリット
メリット1 スタッドレスタイヤの保管場所を考えなくてよい
個人的に一番のメリットです。
マンションでは特に顕著ではないでしょうか。戸建てであっても、適切な保管環境を用意するとなると場所の確保が大変です。
メリット2 タイヤ購入や交換の費用と手間を抑えられる
スタッドレスタイヤを購入する場合、ホイールとセットで購入する方が多いのではないでしょうか。
軽自動車やコンパクトカーであれば、大きな費用は掛かりませんが、タイヤ幅の広いSUVタイプはホイールの価格が高くなりがちです。
また、性能面から見てもスタッドレスタイヤのまま一年中走ることできないので、毎シーズン、カーショップやタイヤショップで交換する手間と作業工賃が掛かります。
これらの費用や手間を減らすことができます。
メリット3 ドライとウェット路面の性能はノーマルタイヤと大きな差が無くなっている
南関東の場合、雪の走行シーンよりもドライとウェットの路面がほとんどを占めることになりますので重要なポイントです。
スタッドレスタイヤとの比較は4.1 本当にオールシーズンタイヤはダメなのか?をご覧ください。この比較結果を見れば、オールシーズンタイヤが選択肢に入るのではないでしょうか。
※少なくとも純正タイヤであるYokohama BlueEarth E70と同等の走行性能はあると良いけれど、この純正タイヤの情報は調べても見つからない…。
メリット4 圧雪路面とシャーベット状路面に強い
オールシーズンタイヤは、雪が降るとシャーベット状になることが多い南関東の路面で性能を発揮します。また、圧雪路面もしっかり走れることが分かります。
スノーフレークマークが入っているオールシーズンタイヤであれば、高速道路の「冬タイヤ装着車のみ」という規制は走ることができます。スノーフレークマークが入っていないオールシーズンタイヤはおすすめできません。おそらくですが、ノーマルタイヤと雪上の性能は変わらないのではないでしょうか。
このように冬において、オールシーズンタイヤは私が走るシチュエーションで多い路面パターンを網羅していました。
オールシーズンタイヤのデメリットとその対策と補足
デメリット 1 凍結・雪上性能はスタッドレスタイヤに劣る
スタッドレスタイヤの立場が無くなってしまうので当然の事ですが、豪雪地帯や凍結路面はオールシーズンタイヤで太刀打ちできません。
よって、北東北や北海道の冬をオールシーズンタイヤだけで走行するのは、絶対に危険なのでやめるべきです。
このデメリットの補足するため、非金属タイプのチェーンを購入し、車に積んでおきます。
非金属チェーンを履いて走行中に切れてしまったら大変です。ここは安物ではなく、しっかりしているものを買うのが良いでしょう。
また、チェーンを用意しておくことで、2018年に法整備されたスタッドレスタイヤであっても走行できない「全車チェーン装着車のみ」と規制された道路であっても対応することができます。
気温や天気などから凍結が見込まれる場合はチェーンを装着して走り、速度域に応じて高速道路などでは外すようにします。
もし、チェーン装着でも走れないような雪深い峠道などは、そもそもAWDでなければ登れないでしょうから、2WDのキックスでは厳しいですよね。
凍結路面ではAWDにスタッドレスタイヤであっても過信は禁物です。
第一にタイヤの性能を過信せずに、車間距離と適切な速度を保ち、運転操作に気を配ることが大切ではないでしょうか。
デメリット2 ノーマルタイヤと比較してロードノイズが大きい
ノーマルタイヤと比較して、雪上性能を高めるため、タイヤのパターンなどが特殊となり、走行時の騒音が大きくなる。
オールシーズンタイヤの中にもロードノイズがノーマルタイヤよりも低減されているものがあります。
タイヤによって、どの速度域でロードノイズが大きくなるのか、響くような低い音なのか、耳障りな高い音なのか等、タイヤによって異なりますので、自分に合う特性で検討してみると良いと思います。
日産キックスの新車装着タイヤと比較した動画を作成しました。それぞれのロードノイズを聞いてみてください。
デメリット3 ノーマルタイヤと比較して燃費が悪くなる
ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤはゴムの硬さが異なるようです。
気温が低くても、ゴムの柔らかさを維持して、しっかりと雪に食い込むことができるのがスタッドレスタイヤです。
その分、タイヤと路面の抵抗が大きくなることで燃費が悪くなります。
オールシーズンタイヤはノーマルタイヤとスタッドレスタイヤの中間ですから、スタッドレスタイヤよりは燃費が悪くないけど、ノーマルタイヤには及ばないということになります。
オールシーズンタイヤであっても優秀な低燃費性能を有しているものがあります。
転がり抵抗性能評価が中間よりも上の「A」~「AA」のオールシーズンタイヤであれば、タイヤによる燃費の差を気にするほどでは無いと感じています。
デメリット4 ノーマルタイヤと比較して寿命が短い
オールシーズンタイヤは、スタッドレスタイヤと同様にゴムの硬さがノーマルタイヤに比較して柔らかく、タイヤの寿命が短い。
最近のオールシーズンタイヤはノーマルタイヤと同じ4~5年くらいの寿命のようです。また、走行距離は3万kmでこちらも大して変わりません。
しかし、オールシーズンタイヤが摩耗して溝が減ってきた場合、本来の雪上走行性能が出せなくなる恐れがあるので注意しなくてはなりません。(スタッドレスタイヤも同様ですが。)
オールシーズンタイヤのミシュラン クロスクライメート(Michelin CrossClimate+)を購入する
メリットとデメリットを書いたように、オールシーズンタイヤの特性を理解して使えば、快適で安全な運転が出来るのではないでしょうか。
そして、今回選んだタイヤはミシュランのクロスクライメート(Michelin CrossClimate+) 205/55R17 95V XLです。
走行性能や価格が満足できることは当然として、このタイヤを選んだのはロードノイズが少ないというユーザーレビューがいくつか見られたが理由になります。
キックスは車内の静音性能が高くなっているとは言え、走行時のロードノイズが気になるという意見も見られます。
ロードノイズの大きさは、長距離の高速走行で意外と疲労に繋がるので気にしているところではあります。
スタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤで費用を比較する
タイヤはネット通販で購入し、近所のタイヤショップで交換してもらう場合、ノーマルタイヤ&スタッドレスタイヤのパターンとオールシーズンタイヤのパターンで5年間に掛かる想定費用を簡単に表で比較してみました。
使用するタイヤのパターンで掛かる費用を表で比較する
2020/11/12追記
走行距離を考慮して表を再作成しました。使用頻度としては、1年間に10,000kmを走行する場合です。
タイヤやホイールの価格はネット通販の実勢価格です。
年間走行距離が長いときや車を5年以内に乗り換えるときは表の結果と異なってきます。また、自分でタイヤを交換する場合は、交換作業工賃が不要になります。
私は、近くのタイヤショップでタイヤの組み換え作業をお願いする予定です。
タイヤショップ ZERO
http://tire-zero.com/index.php
オールシーズンタイヤの維持コストは低い
この表から整理すると、オールシーズンタイヤは、タイヤの維持費用を安く済ませることができるのではないでしょうか。
いずれのパターンにしても注意しないといけないことは、タイヤは走行距離だけでなく、経年で劣化するということです。
スタッドレスタイヤを毎年冬シーズンのみ利用して、走行距離が短いとしても、経年による寿命があるのでタイヤの組み換えが必要になってしまいます。
(なお、非金属チェーンも同様に、ゴム素材の性能を維持するため、使用しなくても5年を目安に交換することが望ましいとのことですので表に反映しています。)
5年目の列を見ていただくと分かる通り、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤの両方が経年劣化している場合、どちらも交換するという大きな出費があります。
また、スタッドレスタイヤ用のホイールを購入することも大きなコストになりますが、これについては、足回りの見た目重視で敢えて購入する方もいると思いますので特に指摘するつもりはありません。
ホイールが違うと印象が大分変わりますよね!
私は節約のため、純正ホイールをしばらく使います…。
まとめ
私のように車の使い方によって、オールシーズンタイヤ+チェーンで足りる人もいれば、冬季はスタッドレスタイヤで無いと生活できない人もいます。
オールシーズンタイヤは本当にダメなのか?
私自身もオールシーズンタイヤに対して「そんな都合がいいタイヤがあるのか」と、今まで使用するには至りませんでした。
インターネット上の意見では使用者の住んでいる地域や前提条件に関わらず、
「オールシーズンタイヤは雪上はともかく、凍結路面に対応できない中途半端なタイヤであり、絶対にスタッドレスタイヤにするべきである」
と拒否反応を示す方もいるようです。
一方で、豪雪地帯以外に住んでいる方が多くを走るであろうドライ路面とウェット路面におけるスタッドレスタイヤの弱点については、触れられていることが少ないです。
JAFの動画は2015年に公開しているので少し古いシリーズであり、今のスタッドレスタイヤはもっと性能が良くなっているかもしれませんが参考になります。
オールシーズンタイヤの特徴を理解する
確かにスタッドレスタイヤの性能は間違いないのですが、本当に凍結路面を安全に走るなら「スタッドレスタイヤ」だけではなく、「スタッドレスタイヤ」+「非金属チェーン」です。
では「オールシーズンタイヤ」+「非金属チェーン」はどうでしょうか。
比較検証されている結果が見つからなかったので何とも言えませんが、「スタッドレスタイヤ」だけよりも凍結路面に強いのではないでしょうか。
チェーンを装着するという手間は掛かりますが、冬場にドライ路面やウェット路面を走るのが9割のような場合にオールシーズンタイヤは十分に有りだと見受けられます。
オールシーズンタイヤは、アメリカでは1977年にグッドイヤー(Goodyear)が製品化し、今ではヨーロッパや日本でも販売されています。
オールシーズンタイヤは中途半端な性能で役に立たない、問題だらけのタイヤならば、製品に対する集団訴訟を受けたり、売れなくなることで流通がストップするはずです。
しかし、今では日本の企業であるブリヂストン(Bridgestone)や横浜ゴム(YOKOHAMA)もオールシーズンタイヤを開発して、市場に出していることを踏まえると、国内でも認められ、力を入れているカテゴリであるのではないでしょうか。
個人的には、オールシーズンタイヤがダメなのではなく、オールシーズンタイヤの特徴を理解せずに買うドライバーが危険だと思います。
最後に
ということで、豪雪地帯や常時零下になる地方に住んでいない方は、オールシーズンタイヤと非金属チェーンの組み合わせというパターンを検討してみてはいかがでしょうか。
オールシーズンタイヤを使用するのは初めてなので、納車したら使用感を試してみたいと思います。